6年前に、香港理科大学のAllan Chan (アラン・チャン)准教授によってスタートしたi.Dummyのプロジェクト。専門家が3D
ボディスキャナーを使いアメリカ、ヨーロッパ、日本、中国から、身体に関する膨大な量のデータが集められ、機械工学や
情報工学を融合させたメカトロニクスの技術を応用してつくられた。(サイトより抜粋)
それは、一台のトルソーで、どんなサイズにも変更出来るというもので、UK6からUK16サイズ(SサイズからXLサイズ)までの
サイズ変更が出来るという。しかし、プロモーションビデオを見る限りは、肩甲骨や腹部など部分的に厚みを出すことは出来
るようだが、肩傾斜や姿勢などの体型変更は出来ないようである。
活用方法としては、グレーディング後のチェックに便利ではあると思う。まぁ、会社に1台、工場に1台あるといいかも知れない。
私はこれまでに多少なりとも、グレーディングの経験はある。しかし、今まで一度もグレーディングチェックをしたことがない。
特にそれを求められなかったからである。
これは、かつてのアトリエでの回想になるが、デザイナーはグレーディングしたものについては、あまり興味がなかった。
マスターパターンのチェックは、尋常じゃないくらいに神経質であったが、グレーディングは一切チェックすることはなかった。
ここで言っているチェックとは、作成したパターンをシーチングで裁断し、トワル仮縫いをして、フォルムを確認することだ。
要するに、チェックしないというのは、形にすることなくペーパー上で、或はCADならPC上で、パタンナー、若しくはグレー
ダーが処理することで、これは、会社によって異なると思われる。
現状のアパレルでは、1サイズ1体型グレードが一般的である。しかし、ヒップ寸法が同じ90㎝でも、外人並にプリンとした
お尻の人もいれば、薄っぺらい平尻の人もいる。このi.Dummyは、それに対応出来るような感じで紹介しているが、実際
のPCコマンドに入力するのは、バスト、ウエスト、ヒップ、背丈だけである。
パンツボディの詳細はここでは紹介していないが、恐らく、ウエスト、ヒップ、股上、股下程度の入力であろうと推測する。
もしそうだとすると、どちらも、たったこれだけのサイズ変更で、体型をカバーするというのは不十分ではないだろうか?
グレーディングに特化すればいいとは思うが…